2018.09.07更新

 呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

 今日は,相手方からの不合理な過失相殺の主張を退けた事案を紹介します。

【ケース】
 この事件は,自車を運転して片側一車線の道を直進中,相手方車が,対向から居眠り運転のセンターラインオーバーで走行してきたというものでした。

【当事務所の対応】

 当事務所は,事故後,物損と人損の両方の損害賠償請求を受任しました。通常であれば,まずは物損の示談をし,その後治療が終わってから人損の示談をすることが多いです。しかし,このケースでは,相手方の保険会社が,依頼者の些細な道交法違反による過失相殺を主張しており,物損の示談の段階から交渉が難航していました。当事務所は,再三にわたり,相手方に重大な過失のある本件において,些細な道交法違反が過失相殺の事由にならないことを主張しましたが,結局示談に至りませんでした。そこで,当事務所は,人損の治療が終了した後,相手方に対して提訴に至りました。

【結果】

 第一審では,ほぼこちらの主張通りに認定されました。第二審で,第一審と同じ条件で和解に至りました。

【ポイント】

 相手方が不合理な主張を譲らないときには,毅然とした態度で提訴しなければならないときもあります。

投稿者: たおく法律事務所

2018.06.18更新

 呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

 今日は,脊椎の圧迫骨折の傷病を負い,事故後だけでなく症状固定前にもレントゲンを撮影したことにより,より高位の後遺障害等級野認定を受けることができた事案を紹介します。

【ケース】
 この方は,幹線道路を横断中,加害車両にはねられ,胸椎を圧迫骨折しました。その他の骨折もありましたが,治癒しました。

【当事務所の対応】

 当事務所は,事故後3ヶ月が経過し治療中に受任しました。被害者には,治療期間中,自宅で過ごすためのリフォーム代金を仮払いしてもらうなどしながら,治療に専念していただきました。そして,医師から,そろそろ症状固定とするという話が出ました。外傷性の脊椎圧迫骨折の場合,圧壊が進行性に増悪するため,事故直後のレントゲンよりも症状固定時のレントゲンの方が,圧壊の程度が大きい場合が多々あります。

 そこで,当事務所は,症状固定直前にも,レントゲンの側線画像を撮ってもらうよう助言しました。その結果,事故直後にはなかった,胸椎の後彎が映っていました。その結果,被害者請求により後遺障害の申請をしたところ,後遺障害認定等級11級7号ではなく,後遺障害認定等級8級相当と認定されました。

 当事務所は,その後,相手方任意保険会社と示談交渉をしましたが,交渉がまとまらず,交通事故紛争処理センターに申立をしました。

 休業損害及び後遺障害逸失利益が争点となりました。保険会社は,労働能力喪失率を8級相当の45%とすることに難色を示し続けましたが,この点は当事務所の主張が認められました。その代り,休業損害及び後遺障害逸失利益の基礎収入について,高齢の主婦であることを考慮した金額での合意となりました。

【結果】

 示談の内容は,過失割合を考慮した上で,治療費以外の獲得金額(自賠損害金を含む)が1300万円を上回る金額を支払ってもらう形での示談となりました。

【ポイント】

 脊椎の圧迫骨折は,進行性に増悪するため,症状固定時にもレントゲンを撮影すると上位の後遺障害等級が認定される場合があります。

投稿者: たおく法律事務所

2018.06.04更新

呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

今日は,嗅覚の減退により後遺障害認定等級14級相当と認定され,交通事故紛争処理センターに申立をした結果,10年分の後遺障害逸失利益を認めるという裁定がされた事案をご紹介します。

【ケース】
この方は,バイクを運転して片側2車線の道を走行して交差点に進入したところ,対向から右折してきた加害車両にで進路を塞がれて衝突し,転倒して顔面多発骨折の傷害を負いました。

【当事務所の対応】

当事務所は,嗅覚の減退による後遺障害認定等級14級相当が認められた後から受任しました。当事務所の受任する前の段階で,相手方保険会社の提示した損害額は,治療費抜きで約160万円程度で,後遺障害部分は自賠責基準の75万円と提示されていました。

当事務所は,相手方保険会社と任意で交渉し,後遺障害部分の逸失利益と慰謝料の満額を請求しましたが,合意には至りませんでした。

そこで,当事務所は,交通事故紛争処理センターに申立をしました。当事務所は,嗅覚の減退が起こるメカニズムを調べ,嗅覚の減退により業務に支障が出ていることを雇用先に確認し,万端の資料を揃えて主張をしました。しかし,相手方保険会社は,後遺障害逸失利益が生じていることを否定し,斡旋段階での示談には至りませんでした。

その後,当事務所は,再度主張を整理し,審査手続を経たうえで裁定により示談に至りました。

【結果】

示談の内容は,10年分の労働能力の喪失による後遺障害逸失利益を認めるものでした。

損害賠償金額は,治療費及び支払済みの休業損害を除き,約440万円と認定されました。

【ポイント】

相手方保険会社が,頑なに適切な金額での示談を拒む場合は,交通事故紛争処理センターに申立をすると適切な金額での示談ができる場合があります。

投稿者: たおく法律事務所

2018.05.15更新

呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

今日は,左拇指MP関節掌側板損傷,同関節内遊離体という傷害により,左母指の用廃という後遺障害が残った事案について紹介します。この案件は,病院が診断書に誤記載をしており,訂正するように交渉を要した案件です。

【ケース】
この方は,バイクを運転して片側一車線の道を走行していたところ,対向から右折で路外に出ようとした加害車両に進路を塞がれ,衝突して転倒し,傷害を負いました。
【当事務所の対応】

後遺障害診断書を作成する段階から受任しました。この当時,病院がMRIの装置を交換中であり,病院がMRIの撮影に非協力的でした。当事務所は,MRIの撮影が必須と考え,他の病院宛に紹介状を書いてもらい,MRIを撮影してもらいました。

その後,後遺障害の診断を受けました。ところが,後遺障害診断書上,母指の可動域の健側と患側が反対になっており,可動域の+と-も反対になっていました。当事務所は,この記載は明らかな誤記であるので,病院に対して訂正を求めました。その結果,後遺障害診断書の誤記は訂正されました。その後,毎月の経過診断書を取得したところ,この診断書にも,母指可動域について訂正前の誤記がされていました。当事務所は,後遺障害診断書に誤記があり訂正してもらったという経緯をもう一度説明し,経過診断書も訂正してもらいました。

これらの証拠をそろえた上で,自賠責に対し被害者請求をして,後遺障害の認定申請をしました。その結果,左母指の用廃が認められ,後遺障害認定等級10級7号と認定されました。

 

【結果】
その後,相手方の任意保険会社と交渉し,左母指の用廃が業務に支障をきたしている旨を説明し,治療費を除いて3000万円弱の金額で示談をしました。
【ポイント】

医師は,医学の専門家であるのでその医学的意見は絶対ですが,明らかな誤記については,訂正の交渉をしないと本来認定されるべき後遺障害が認定されない場合があります。

投稿者: たおく法律事務所

2018.02.16更新

呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

今日は,左股関節の可動域制限という後遺障害が残り,保険会社から自賠基準での提示を受け,結果的には裁判所の基準で示談をした案件を紹介します。

【ケース】
この方は,横断歩道を青信号で横断していたところ,対向から右折してきた相手方車にはねられました。
【当事務所の対応】

事前認定により左股関節の可動域制限(後遺障害認定等級12級7号)が認定され,保険会社から損害額の提示が出された後に受任しました。

当初,相手方保険会社が提示していた損害額は,傷害慰謝料,休業損害,後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益の全てがほぼ自賠責基準で算出されていました。自賠責の基準というのは損害全額の計算をするための基準ではないのですが,自賠責の基準で計算された金額を損害全額として提示されていました。

また,被害者は高齢の方だったのですが,就労可能期間を過少に評価されており,後遺障害逸失利益が過少に認定されていました。

そこで,全面的に各損害項目の損害額を見直し,裁判所の基準で損害額を計算し,相手方に提示しました。

【結果】
当初は治療費を除いて370万円程度の提示だったのですが,増額交渉の結果,治療費を除いて810万円を支払ってもらうという示談が成立しました。
【ポイント】

自賠責の基準で計算した損害額の示談をすると,本来の損害額よりもかなり低額の示談をしてしまう可能性があります。大きな後遺障害が残るような事案では,その傾向が顕著に現れます。

投稿者: たおく法律事務所

2018.01.30更新

呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

今日は,右手関節の可動域制限という後遺障害が残り,67歳までの労働能力喪失が認められた事案を紹介します。

【ケース】
この方は,バイクで交差点を直進していたところ,対向から右折しようとしていた相手方の運転する自動車に衝突されました。
【当事務所の対応】

事前認定により,右手関節の可動域制限(後遺障害認定等級12級6号)が認定された後に受任しました。

当初,相手方保険会社が提示していた損害額は,労働能力喪失期間を10年として計算したものでした。最近,相手方保険会社の提示として,14級であれば5年,12級であれば10年の労働能力喪失として計算している例が増えています。今回の事案も,そのケースでした。当初の提示金額は,支払額(治療費を除く)が過失割合等を考慮して約440万円でした。

しかしながら,裁判所の基準によれば,骨折による手関節の可動域制限(後遺障害認定等級12級6号)であれば,労働能力喪失期間は67歳までの期間です。

この方は年齢が若い方だったので,労働能力の喪失が67歳までの期間までか,10年間のみかとういう点で判断を誤れば,損害賠償額に大きな差異が出ます。

裁判所の基準の適用事例とそうでない事例を相手方保険会社に説明し,交渉をしました。また,相手方保険会社に対し,この方の会社の従業員が勤続年数に応じて昇進していく一般的なモデルを説明し,労働能力の喪失が継続することを主張しました。

【結果】
交渉の結果,67歳までの労働能力喪失を前提とした示談をしました。
最終的には,治療費を除いた獲得金額は,過失割合を考慮しても1000万円になりました。
【ポイント】
14級であれば5年,12級であれば10年の労働能力喪失という紋切型の認定は,適用されるべき事案とされるべきでない事案があります。この判断を誤ると,損害賠償額に大きな差異が生じます。

骨折による関節の可動域制限の場合,一般的に10年経ったとしても改善はせず,働き続ける限り業務に支障が出ます。怪我の程度に見合った賠償請求をしなければなりません。

投稿者: たおく法律事務所

2018.01.17更新

呉市で交通事故被害の解決に注力する弁護士の田奧です。

今日は,利き腕でない手の親指が用廃(可動域が半分になった)事案についてご紹介します。

【ケース】
この方は,バイクで優先道路の交差点を直進していたところ,右化側から右折しようとしていた相手方のバイクに衝突されました。
【当事務所の対応】

事故後間もない時に受任しました。

重篤な怪我を負われていたため,少しでも症状が改善するように,できるだけ長い間通院してリハビリができるよう保険会社と交渉しました。

症状固定後は,満を持して被害者請求をし,左手親指の可動域制限が1/2以上制限されているとして後遺障害認定等級10級7号と認定されました。

10級7号といえば,労働能力喪失率は27%です。

被害者にとって,左手の親指が動かないことは,悔しくて悲しくてたまらないことです。しかし,事務職の労働者が左手の親指が使えなくなったとして,仕事の約3割ができなくなるでしょうか。この方も,事故前後で減収はありませんでした。

こういう場合,減収がないことが事故とは関係のない特別の努力によるものであるという主張をするのですが,そもそも業務上左手の親指が必要な作業があまりありません。

そこで,普段どのような仕事をしているか,事故後どのようなことが不便に感じるかということを一つ一つ拾い上げ,詳細にまとめた陳述書を作って交渉しました。

【結果】
交渉の結果,逸失利益だけで約550万円を獲得しました。
最終的には,治療費を除いた獲得金額約1060万円で示談をしました。
【ポイント】
仕事の大きな支障のないような後遺障害でも,小さな不都合は数えきれないほどあります。それを一つ一つ丁寧に積み上げていけば,逸失利益の主張に説得力が出て,結果として適切な損害賠償が可能となります。

投稿者: たおく法律事務所

2017.12.05更新

【ケース】
妻の運転する車に同乗していたところ,相手車に追突された。
【当事務所の対応】
症状固定の直前に受任した。傷病名は,頸椎捻挫,腰椎捻挫等であった。

当事務所は,症状固定を待って診断書を取り付け,直ちに相手方保険会社に請求書を送り,示談交渉を開始した。

依頼者さまは,個人事業主であったが,事故前年の青色申告を赤字で申告していた。そのため,相手方保険会社は,休業損害の支払に難色を示した。

当事務所は,赤い本に「自営業者の休業中の固定費の支出は,事業の維持・存続のために必要やむを得ないものは損害として認められる」と記載されており,事故前年の純利益だけでなく経費として支出したものの一部も基礎収入に含まれる事を主張し,示談交渉を続けた。

【結果】
治療期間である約6ヶ月の休業損害として,約74万円の休業損害を獲得した。
示談の際には,損害額全額で約164万円(治療費等は除く)を獲得した。
【ポイント】
赤字申告をしている個人事業主でも,休業損害を請求できる場合がある。

投稿者: たおく法律事務所

2017.11.21更新

【ケース】

相手車がセンターラインオーバーで自車真ん中から右にかけて衝突し,自車は跳ね返されて左後部を壁に衝突した事案

【当事務所の対応】

症状固定の一ヶ月前に受任した。

被害者は事故による負傷により職場を退職しており,休業損害の額が争点になることが予想された。そこで,医師に,症状固定までの間,就労不能であることの診断書の作成を依頼した。

症状固定後,主治医に後遺障害診断書及び神経症状の推移についての書類作成を依頼した。主治医の書いた書類には,重要な項目の記載漏れがあった。

主治医に再度記載をお願いし,万全の体制で被害者請求の方法で後遺障害認定等級の申請をした。

【結果】

後遺障害認定等級14級9号が認定された。

全治療期間を通じて100%の休業があったという前提で示談をした。

【ポイント】

事故による負傷により仕事を退職した場合,退職後の分も含めて休業損害を請求できる場合がある。

後遺障害が認定されるような傷害を負った場合,医師の作成する書面に過不足がないことを確認してから後遺障害の申請をすることで後遺障害認定の可能性が上がる。

投稿者: たおく法律事務所

2016.07.20更新

【ケース】

車線のない細い道を原動機付自転車で走行していたところ,右方向から右折してきた相手方普通乗用自動車にはねられた。

【当事務所の対応】

被害者が自賠責保険にしか入っておらず,相手方保険会社が主導的に手続を進めているところで受任した。

過失割合について,当初は被害者:相手方=6:4で提示されていたが,交渉の結果4:6で物損示談ができた。

被害者は,左母趾を骨折しており,ギブス固定期間があったにもかかわらず,診断書上その記載がなかったのでギブス記載のある診断書を取得し直した。

治療終了後,被害者請求で後遺障害認定申請をした。

治療期間中,自賠基準で休業損害金の仮払いを受け,示談時には改めて裁判基準の主婦休業損害を請求した。

【結果】

慰謝料について,ギブス固定期間を入院期間に準して算定した金額を獲得した。

後遺障害についても,当事務所が受任する前は認定申請をしない予定であったが,被害者請求をすることで12級12号の認定を受けることができた。

損害総額は約800万円であり,過失割合を考慮しても約485万円であった。そこから治療費等を差し引き,約430万円の経済的利益を獲得した。

【ポイント】

ギブス固定期間については,入院期間に準じて慰謝料の算定をする。

足の親指の骨折でも,後遺障害等級の認定を受けることができる場合がある。

投稿者: たおく法律事務所

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