後遺障害について

後遺症害とは

後遺障害とは、現在の医学的な知見からして、これ以上良くも悪くもならないという段階(症状固定時)で残っている障害のことをいいます。

むち打ちの場合

●局部の神経系統の障害

第12級13号 局部にがん固な神経症状を残すもの
第14級9号 局部に神経症状を残すもの

神経症状とは、「痛み」であるとか「しびれ」のことをいいます。

12級13号の「がん固な」神経症状とはなんでしょうか。

それは、医師の他覚的な所見がある場合です。すなわち、MRI等の画像や神経の検査の結果、この状態であれば痛いはずだと分かる場合です。

それでは、医師の他覚的な所見がなくとも、患者本人が痛いと言っていれば14級9号が認定されるのかというと、そうではありません。

14級9号が認定されるには、傷病によって神経症状が生じていることが「証明」される必要はありませんが、「説明」される必要はあるのです。

骨盤骨折の場合

●下肢 機能障害

第10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

股関節に可動域制限が生じ、MRI及びCTなどの画像や各種検査の結果、その原因が骨盤骨折によるものと証明できた場合、後遺障害が認められる場合があります。

怪我をした方(患側)の足の股関節の可動域が、怪我をしていない方(健側)の1/2以下に制限されると「著しい機能障害」(10級11号)、3/4以下に制限されると単なる「機能障害」(12級7号)が認定されます。股関節のどの運動の可動域を測定するかは、決まりがあります。

両方の足の股関節の可動域が制限されている場合は、参考可動域と呼ばれる人間の生理的な運動範囲と患側の可動域を比較することになります。

骨盤骨折の態様によっては、胸腰部の可動域が制限されることもあり、別途後遺障害が認められる余地があります。

後遺障害等級と認定されるほどの可動域制限がない場合でも、痛みが残る場合は、神経症状について12級13号や14級9号が認定される余地があります。

裸体となったときに骨盤骨の変形が明らかに分かる場合は、骨盤骨に著しい変形障害を残すものとして12級5号が認められます。

腱板断裂・腱板損傷の場合

●上肢 機能障害

第10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

肩に可動域の制限が生じ、MRI画像や検査の結果それが腱板断裂や腱板損傷によるものと証明できた場合、後遺障害が認定される場合があります。

怪我をしていない方(健側)の肩の可動域が、怪我をした方(患側)の肩の可動域の1/2以下であれば「著しい機能障害」(10級10号)、3/4以下であれば単なる「機能障害」(12級6号)となります。肩関節のどの運動の可動域を測定するかは、決まりがあります。

後遺障害等級と認定されるほどの可動域制限がない場合でも、痛みが残る場合は、神経症状について12級13号や14級9号が認定される余地があります。

後遺障害慰謝料とは

「後遺障害慰謝料」とは、後遺障害を負ったことによる精神的な痛みを金銭で評価したものです。

後遺障害逸失利益とは

「後遺障害逸失利益」とは、後遺障害を負ったせいで失った労働能力の割合に応じた、将来得るはずであった収入の減少分の損害をいいます。

後遺症害等級認定のためには

後遺症害の認定のためには、後遺症害診断書を含む診断書、治療内容が記載された診療報酬明細書、MRIやCTなどの画像所見などが重要となります。それらの資料をそろえるには、治療開始の段階から弁護士に助言を求めることが極めて有益です。